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  • 浅草出身、現在、長野県諏訪在住。かみさんと二人で、ほそぼそと暮らしています。

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2010年3月12日 (金曜日)

息子の思い出を、語ります。

息子は、新聞奨学生として、専門学校へ行く。

東京の新聞店に住み込みで、新聞配達をする。

たぶん、3月中に、家を出ていくだろう。

昨晩、夕食時に息子に言った。

「そろそろ何を持っていくか、考えたら?」

「うん」

「それで、荷造りするとかさ、やる方が良いよね」

「うん」

「たとえば、机とか、持って行くのか?」

息子は、即答した。

「それは、住む所を下見してから決める」

そりゃ、そうだよねぇ、考えてるじゃん。

感心して、それ以上、言う事は無かった。

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今は、長野県の諏訪地方に住んでいる。

息子が生まれる頃は、神奈川県に住んでいた。

出産予定日が近くなると、かみさんの実家で暮らしていた。

かみさんの実家は、茅ヶ崎市だ。

俺が勤めていた会社の近所だった。

ある朝、かみさんが破水、病院に行く事になった。

会社に休みを申し入れる電話を入れた。

そして、車で病院へ言った。

かみさんは、分娩室、義母と俺は、その扉の前のベンチ。

長い時間待った。

喫煙したいが、いつ生まれるかわからない。

おちおち、喫煙にも行けなかった。

昼下がり、分娩室の中から、大きな産声が聞こえた。

そして、扉が開いて、看護師さんが、

「男の子ですよ」

と言いながら、中に入れてくれた。

かごの様なトレイに、息子はいた。

しわだらけの顔、でも、目を大きく開いていた。

見えてるのかわからないが、俺を見ていた。

「やあ」

俺は、声をかけた、涙が出た。

_

それ以来、俺は家に帰るのが、とても楽しみになった。

息子を風呂に入れるのは、俺の担当だった。

温度計付きの、赤ちゃん用の浴槽は、買ってあった。

適度な温度になるように、几帳面にお湯を入れた。

かみさんから息子を受け取って、丁寧に洗った。

息子は、とても気持ちよさそうにしていた。

一度だけ、その状態で、息子がウンチをしてしまった。

俺はあわてて、つい、息子を風呂の床に置いてしまった。

ウンチを処理しようとしたのだ。

息子は、ぎゃーぎゃー泣きだしてしまった。

俺は、ウンチをそこのけで、息子を抱き上げて、

「ごめん、ごめん、ごめん」

一所懸命、あやまった。

_

息子は、いつしか、はいはいできるようになった。

そして、歩けるようになった。

その、目に見える成長が、とても楽しかった。

ある日、灰皿の上の吸い殻が無い事に気が付いた。

どこにも落ちて無い。

息子が食べてしまったんだと判断した。

夜だったが、車を飛ばして、近くの病院へ行った。

しかし、調べる施設が無いということを言われた。

そこで、3~40Kmほど離れた病院へ行った。

気がせいて、かなり飛ばしたと思う。

診察の結果、問題無かった。

かみさんと二人で、ほっとした。

息子は、なぜか御機嫌だった。

帰りに、アイ・ホップに寄って、ホットケーキを食った。

_

息子が、赤ん坊のうちに、長野県に移り住んだ。

そして、土地を買って、家を建てた。

家から東へ登ると、八ヶ岳に通ずる森がある。

その森へ、息子と一緒に、しょっちゅう散歩に行った。

鳥の声、風の音、木がきしむ音、木漏れ日。

草花やキノコ。

そして、何よりも、良い香りがする、森の空気。

俺も息子も、お気に入りの森だった。

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9854

_

時間が前後するが、息子が2~3歳ぐらいの時の事だ。

息子は、言葉を覚えるのが遅かった。

俺やかみさんの事を呼ぶ事は出来たのだが。

知能の方に問題があるのではないかと、心配した。

ある日、車で買い物に出かけた時、橋を渡るところで、

「くわっ」

と息子が叫んだ。

俺が不思議そうにしてると、かみさんが言った。

「川の事を言ったんだよねぇ」

「そうか、川だ、川だねぇ、お利口だ、川だよ」

息子は、得意そうに、

「くわっくわっ」

と言っていた。

その後、息子の言葉を覚えるスピードはすごかった。

八ヶ岳の事を、

「やたたたけ」

と言ったのには、笑ったが。

_

セイユーの中に、アイスクリーム屋があった。

息子が幼稚園に入ったぐらいの頃か。

セイユーに行った時、その近くのベンチで、息子と座っていた。

「アイス、食べたい?」

と訊いたら、こくっとうなづいた。

そこで、息子にお金を渡して、

「大きな声で、買ってきてごらん」

と言った。

息子は、たたたたっと走って行って、大きな声で、

「チョコチプくださいな」

と言って、アイスを買ってきた。

おつりを俺に渡した。

息子の、初めての買い物だ。

俺は、息子の頭をなでてやった。

息子は、うれしそうに、アイスにかぶりついた。

_

その頃かな。

悪夢を観た。

森の中に、だだっぴろい草原がある。

何のために作ったのかわからない、ただの原っぱ。

時々、散歩で遊びに行っていた。

その草原の真ん中に、かみさんと息子と犬がいた。

犬は、その頃飼っていたミニーだ。

かみさんは、悲しそうにうつむいていた。

息子は、泣きじゃくって、腕で目をぬぐっていた。

俺も悲しくなって、泣きながら目覚めた。

守るべき者の悲しみは、俺の責任だ。

悲しい、とても悲しい夢だった。

_

20100205

_

息子が幼稚園の時、運動会に行った。

走りっこ、ゴールに親が並んで、子供が走って来る。

ところが、息子は俺を見失っていた。

とても、不安そうだった。

俺は、たまらず、大声で息子の名前を呼んだ。

息子は、俺に気が付いて、すごい勢いで走りだした。

そして、俺の胸に飛び込んできた。

俺は、胸が熱くなって、息子を抱きしめた。

息子のお遊戯を観ている時だって、涙が出てきた。

我ながら、馬鹿親だなぁと思ったが。

_

息子が小学生の頃は、俺は仕事が忙しかった。

息子の事を見てやれていなかった。

でも、運動会だけは、見に行った。

息子が、3年生か4年生の時だ。

息子が、100m走で一位になった。

興奮した。

もどってきた息子に言ってやった。

「やるじゃん」

息子はテレまくっていたが、うれしそうだった。

それ以来、息子は、走る事に自信を持ったようだった。

町のマラソン大会に出場していた。

それに、高校では、陸上部に入った。

_

息子が中学生の時、ある日突然教師が来た。

教頭と担任だ。

息子がいじめにあっているという事だった。

全然知らなかった為、ショックだった。

暴力を受けたわけではないが、精神的ないじめだった。

教師は、いじめをした生徒には、厳しく注意をしてくれた。

そして、説明とお詫びに来てくれた。

それには、感謝した。

教師が帰ってから、息子と話した。

なんてことないからというような事を、息子は言っていた。

俺は、それ以来、息子が心配でならなかった。

毎日、息子の様子を、注意深く観察した。

でも、心配をよそに、無事に中学を卒業してくれた。

辛い中学時代だったろうと思うと、やるせないのだが。

_

息子が高校生の時。

車で買い物に行った時の事。

家に帰ったら、息子は、一番軽い荷物だけ持った。

それを、玄関に置いて、部屋に入ってしまった。

他に、たくさん荷物があるのに。

俺は、腹を立てて、

「ふざけんな、てめぇ」

と言いながら、息子の部屋の扉に蹴った。

しばらくして、俺の所に、息子が来て、

「さっきは悪かったけど、からかう事は言わないで」

と、涙目で訴えて、行ってしまった。

車の中で、名前をもじって、息子をからかったのだ。

なにげない事だったが、傷つけてしまったらしかった。

こりゃまずいと思い、息子にメールを打った。

「からかったのは悪かった、二度と言わないよ」

しばらくして、息子が来た。

「メール見たから、わかったから」

と言った。

「ごめんな」

あらためて、息子に言った。

_

2007年に、俺は、双極性障害を発症した。

数か月の単位で、会社を休んでいた。

そして、その年末に会社を辞めた。

息子は、どう思っていただろう?

ちょっとは、説明したが。

病気療養したり、就職活動したり、アルバイトしたり。

もう2年経つ。

車は取られ、家も失いそうだ。

息子は、どう思っていただろう?

専門学校の経費を払ってやれない状態だ。

だから、息子は、新聞奨学生を決断してくれた。

息子は、父としての俺を、どう思っているだろう?

訊けない。

訊いたとしても、答えは決まっている。

「べつに、なんとも思ってない」

息子は、強くて、優しい。

俺としては、息子を信じて、送りだしてやるしかない。

あの時、アイスを買っておいでって、背中を押したように。

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俺の頭の中を流れた音楽を紹介する脳内プレーヤ。

今日は、ジョン・レノンの「ビューティフル・ボーイ」です。

小野洋子さんとの息子、ショーン・レノンの事です。

息子を愛してないと言えないですねぇ、ビューティフル。

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♪ JOHN LENNON  "Beautiful Boy (Darling Boy)"
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コメント

happy01みのちゃん、息子さんへの愛、本当にじわ~んときます♪うちも、長男が、まだハイハイのとき、まさかで、スポンジを飲み込んで、もう真っ青になって、医者へ駆け込んだのがありありと今も思いだします。中学生だったかな、壁や階段に貼り付けた、ヨチヨチからのですが、友人に見られて照れるから剥がしてくれと長男に言われ、一回だけでしたから、そのまま、今は、何も言いません。う~ん、何で傷ついているかは、本当に微妙な関係ですね♪みのちゃんは対話が息子さんとできていて、良かったです。まして、男同士はいいですね♪(=^0^=b)

こんにちは。
みのちゃんと息子さん、ほんとに素敵な関係ですね!
ちゃんと謝ることができる関係って、ほんとはとっても維持するのが難しいと思います。
それなのに、親子でお互いを認め合っていて涙がでてきます。
父と息子というだけではないと思います。
私も父ともっと話をすればよかったなって今さらながら思っています。
なぜ避けてばかりいたんだろうって。
お互いを信じている、それだけで十分ではないでしょうか!
心が温まるお話ありがとうございます☆

今日も泣かせてもらいました。
みのちゃんの気持ち読んでると痛い程伝わってきました。
優しい強い息子さんを信じて送り出してくださいね。それに東京にはみのちゃんのお母様もいらっしゃるし、そのてんちょっと安心ですね。
奥様もホロしてあげてくださいね。

   ☆

みのさん。
良いお父さんですよ。

私が別れた夫は子供が3歳くらいまでは一切、手をかしてくれなかった。

私が熱があり「お風呂に入れて」と言っても「一晩くらい平気だ」で私はフラフラしながら子供をベビーバスへいれた事もありました。

息子さんもお父さんの愛はしっかりと受け止めていますね。
しっかり者です。
大丈夫。息子さんを信じて。

 みのちゃん こんばんは^^

 私も二人の息子の親です。
 だからみのちゃんの気持ちが
 手に取るようにわかります。

 同じような出来事もありました。
 親の愛情をしっかりと感じて
 育った子供は、心の栄養も
 満たされて強くなれるのでしょうね。

 一緒に泣いたり笑ったりの子育ては
 何物にも代えられない思い出深い
 時間でしたね。

 みのちゃんの息子さんはどんな
 困難も乗り越えて行かれると
 思います。
 同じ親として
 エールを送ります^^

みのちゃんの息子さんへの深い愛情が伝わってくる内容で、じーんときました。
あと半月!
息子さんも不安を抱えながらも、目標に向かって巣立っていくのですね。

息子さんもみのちゃんに心配かけたくないという気持ちがあって、これからの事も一生懸命に考えているんでしょうね。
みのちゃんは長身だから、息子さんも背が高いのかしら?
ぎゅっと抱きしめるのは、ちょっと照れますよね。
でも、心で抱きしめてもらっていることが伝わっていれば、背中に視線を感じながらアイスを買いに行った時のように、前に向かって行かれる気がします。

みのちゃん、おっはよ♪

色んな思い出、親の宝物だよね。
特に父親と息子は
時として親子だったり男同士だったり
先輩だったりと立場が変わり
見方も変化するものだよね。

我が家の父子関係は
みのちゃん父子と違って
ドロドロとしたものがあってねぇ・・・
いつか、みのちゃん父子のように
解りあえる日がくるとは思うけど~

もうすぐ旅たちの日。。。
いっぱいの心配と不安を抱えてると思うけど
笑顔で送り出してあげてね。

思わずウルウルしました・・

息子さんは 多くを言わないけど
きっとわかっていると思います。

そして みのちゃんは
笑顔で 見送るのでしょうね。

心が繋がっている家族っていいですね。

あくびさん、コメント、ありがとう。
子供の思い出は、一つ一つが宝物ですねぇ。
俺だって、息子が何を考えているか、わからない事がありますよ。でも、悪い事は考えて無いと信じてますから、ほっときます。

sukura-sunsunさん、コメント、ありがとう。
こちらこそ、うちの親子関係をほめていただいて、ありがとうございます。
うちも、ほとんど、対話って無いんですよねぇ、今は。
ここぞという時だけです。それが、とても、大切な時なんですけどね。

nicoさん、コメント、ありがとう。
そうですね、東京には、母がいますし、妹夫婦もいるんです。その点、安心です。
かみさんのフォローですね、了解しました。

桜光雪さん、コメント、ありがとう。
はい、息子を信じています。
赤ん坊の息子を風呂に入れる担当に、なぜ、なったのか、今は忘れましたが、自然にそうなったような気がします。
一人でやろうとすると、大変ですもんね。
桜さんは、よく頑張りましたね。

キララさん、コメント、ありがとう。
エールを、ありがとう。
うちは一人息子だけど、二人育てたのは、うち以上に大変だったでしょうねぇ。
でも、その代わり、思い出も、うちの二倍以上ですね。

ナンさん、コメント、ありがとう。
そうですねぇ、息子は息子なりに、俺たち親に心配をかけないように考えているようです。
それに、俺たちが見守っている事を、感じていてくれているようです。
これは、幸せな事だと思います。
息子、背が高いですよ、俺よりは低いですけどね。

姫さん、コメント、ありがとう。
父子、わかりあえる日、必ず来ますよ。
まず、子供が気が付きます。自分の年齢の時の父親を思い出してね。大変だったんだなぁなんて、思ったりして。
はい、旅立ちの日は笑顔でね、了解です。

pipiさん、コメント、ありがとう。
はい、息子は、いろいろとわかってくれていると、思っています。
笑顔で送り出す、はい、了解です。
でも、泣いてしまうような気がして、ちょっと、まずいかな。

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